五十嵐です。
スポーツで体のどこかを痛めることを「怪我」もしくは「故障」と呼びます。
この「怪我」と「故障」には違いがあります。
怪我(けが)
怪我とは外傷とも呼ばれ、外力(機械的、物理的、化学的)により生じた組織・臓器の損傷(けが)のことをいいます。
※スポーツで起こる外傷をスポーツ外傷ともいいます。
例
・2塁ベースにヘッドスライディングをして肩を脱臼した。
・デットボールで打撲した。
・ノックを受けていたらボールが指に当たって骨折した。
このように外力で体を痛めたことを指します。
故障(こしょう)
小さな負荷が繰り返されることで起こる障害でスポーツ障害ともいいます。
例
・投げ過ぎで肩関節や肘関節を痛める
・素振りのしすぎで腰を痛める
・ランニングのしすぎで股関節や膝関節を痛める
このように一部の関節に小さな負荷が繰り返されることでおきます。
怪我(スポーツ外傷)と筋トレ
怪我は避けることができない突発的なものが多く筋トレでは避けることができません。
しかし、筋トレをしていれば怪我の度合いは変わってくるでしょう。
例えばラグビーや柔道、レスリングなどは首を鍛えなければ怪我が致命傷になる恐れがありますから首周りを鍛えて筋肉を発達させておく必要があります。
故障(スポーツ障害)と筋トレ
野球は故障が多いスポーツです。
30数年前に高校時代の私は、肩、肘関節はもちろん、腰、すねの際が痛む脛骨過労性骨膜炎(シンスプリント)など多くのスポーツ障害を経験しました。
当時はトレーニング理論などが確立されてなく、「投げ込み」「走り込み」「打ち込み」を長時間練習の中で繰り返されました。
その結果が私が経験したスポーツ障害の数々です。
スポーツ障害とは別名オーバーユース症候群とも呼ばれています。
ようするに使いすぎのことです。
当時は「投げ込むことで投げるための筋肉がつく」「打ち込むことでバッティングに必要な筋肉がつく」「そのためには強い下半身が必要だから走り込め」という方針で長時間練習が当たり前の時代でしたから仕方ありません・・・・。
ただ、今は違います!
投げこまなくても投球動作に必要な筋肉を筋トレで鍛えることができます。
打ち込まなくても打撃動作に必要な筋肉を筋トレで鍛えることができます。
走り込まなくても下半身を筋トレで鍛えることができます。
このように、短時間でできる筋トレには、オーバーユース症候群の予防効果があるわけです。
さらに、筋トレで鍛えた筋肉で生まれた力を効率的な練習で投球動作や打撃動作に転換することできればさらに故障を減らすことができます。
当然、間違った負荷、セット数、フォームで筋トレをおこなえば、筋トレによって怪我も故障もおこります。
だからこそ筋トレをするなら専門家の指導が必要になります。
まとめ
「投げ込み」「打ち込み」「走り込み」のように長時間繰り返す練習は、成長期の中学生の関節に大きな負担をかけます。
よって適切な負荷で筋トレをおこなうことが故障の予防になると考えています。
そういえば、2022年箱根駅伝で優勝した青山学院大は、厚底シューズによるスピード化によって股関節周辺の故障が増えたため、股関節周辺の筋トレをおこなうことでスピードに耐えうる体作りに成功したそうです。
これこそがまさに故障予防の筋トレですね!